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アラフォー腰痛ランナーの走りっこら挑戦記

腰痛を抱えながら5キロ15分台、10キロ32分台を目指すランナーの挑戦日記

今週のお題「チョコレート」~チョコレートは砕けない~

 どうも、こんにちは。あぶらっこです(^▽^)/

 

 今週のお題「チョコレート」

 

 この時期のチョコレートの話だと、初めて女子

からバレンタインでチョコをもらった時のことを

思い出す。

 

 小学生の3、4年生当たりだったと思う。

 

 誰が流行らせたのかわからないけど、当時手作

りチョコを渡すのが主流になっていた。

 女子達は、朝学校に来ると廊下に吊るしてある

体操着袋にチョコを隠し、下校時間となって帰る

男子に配るのが、バレンタインの通例となってい

た。

 僕ら男子達は、休み時間になるとわざわざ寒い

廊下を行き来し、吊るしてある女子の体操着袋を

横目でチラチラ見てチョコの入り具合をチェック

して回る。

 クラスでも特にオシャレ女子のYちゃんの名前

が書かれた体操着袋がパンパンに膨らんでいるの

を見た時は、ワンチャンあるかもと、僕の胸も期

待でパンパンに膨らんでいた。

 

 しかし、勉強も運動も人並み以下に加え、取り

立てて特技もない人間は、オシャレ女子からチョ

コなんかもらえるハズもなく・・・。

 

 もらえないだけだったらそれほどガッカリしな

かったが、自分の中で勝手にランキングしたクラ

スメイト番付で、確実に自分より下だと思ってい

たヤツがチョコをもらっていたりするとさすがに

ヘコむ訳で・・・。

 

 「手作りチョコ・・・食べたかったなぁ」

 

 トボトボ帰ろうとした時に後ろから

 

 「あぶらっこ君!」

 

 僕を呼ぶ声がして振り返るとクラスの女子がいた。

 

 「誰からもチョコもらってないんでしょ」

 「これ・・・あげる」

 

 そう言うと茶色い紙袋を手渡された。

 

 「あ、ありがとう」

 

 意外だった。

 というのも、彼女はオーバーオールが似合う柔

道女子だったので、バレンタインのようなイベン

トには興味がないと思っていたし、何より僕は彼

女とそれほど仲がいいとは言えなかったからだ。

 

 「今、ここで食べて」

 「こ、ここで?」

 

 僕は中に入っていたゴツゴツとした塊のチョコを取

り出した。

 

 で、でかい・・・。

 

 大きめのスーパーボールぐらいはあっただろう

か。

 動揺していた僕は一気に口の中に放り込み、チ

ョコを噛んだ。

 しかし

 キンキンに冷えたチョコはビクともしなかった。

 しかも

 奥歯で噛みたくても、大きすぎて噛めなかった。

 

 丸ごと口に入れてしまったチョコを今更彼女の目

の前で吐き出す訳にはいかず、渾身の力を顎に込め

て思いっきり噛んだ。

 

 ガリッ!!

 

 やっちまった・・・。

 

 チョコの硬さに乳歯が1本持っていかれた。

 多大な犠牲を払ってもチョコは砕けなかった。

 

 「どう?おいしい?」

 

 「おいひいよ・・・」

 

 「ホントに?」

 

 「ほんろにおいひいよ・・・」

 

 この状況を察してくれよ・・・。

 味なんかわかんねーよ・・・。

 

 僕がモゴモゴしていると

 

 「良かった。誰からもチョコもらえない男子に

あげたかっただけだから」

 

 そう言って彼女は去っていった。

 

 口の中で徐々に、徐々に溶けていくチョコは紛

れもないガ〇ナミルクチョコレートの味で、その

中に錆びた鉄の味が混ざっていた。

 

 最後までチョコレートは砕けなかった。

 

 紙袋にペッとチョコレートを吐き出した時、一

緒に出てきた乳歯がチョコまみれで不気味なほど

に黒かった。

 

 僕は、口の中に充満した血の味を噛みしめながら

学校を後にした。

 

 甘ったるいミルクチョコレートを食わされた、ほ

ろ苦いバレンタインの思い出。

 

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 最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

 先週のお題「#この1年の変化」はコチラ↓ 

team-wolf.hatenablog.com