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アラフォー腰痛ランナーの走りっこら挑戦記

腰痛を抱えながら5キロ15分台、10キロ32分台を目指すランナーの挑戦日記

今週のお題「○○からの卒業」~フォーエバー?~

 どうも、こんにちは。あぶらっこです(^▽^)/

 

 

 今週のお題「〇〇からの卒業」

 

 

 

 「卒業してもずっ友(ずっと友達)だよ!」

 

 

 明るく元気な声が通学中の子供達から聞こえて

くる。

 ランドセルを背負わなくなってもずっと一緒だ

よ!

 

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 ずっと=永遠なんていうのは幻想に過ぎないん

だよ。

 希望に満ちた子供たちに人生の大ベテランとし

てこんな助言をしようものなら

 

 「うわっ、何このおぢさん!」

 「キモッ!」

 

 と言われるのは目に見えているので、子供たち

の元気なあいさつに対し、僕は「おはようござい

ます」と一言だけ発してごみ集積所へ向かった。

 

 

 ずっと続くと思っていた関係が永遠に続かない

ことを、それなりに年を重ねてきた僕は痛感して

いる。

 

 引っ越しを境に疎遠になった友人。

 彼女ができて疎遠になった友人。

 結婚を機に疎遠になった友人。

 泣いて頼まれ、連帯保証人を引き受けた途端、

音信不通になったクソ野郎。

 

 

 その一方で高校を卒業した時、もう二度と聞く

ことはないだろうと思っていた校長先生のつまら

ない話や、これでようやく好きでもない勉強から

開放されると思っていた社会人1年目の春。

 

 校長が社長に、そして勉強が資格取得や研修に

それぞれ置き換わっただけで、ずっと続いていく

ことになろうとは・・・。

 

 

 

 社会人にとっての卒業って何だろう。

 引っ越しや転職といった環境の変化に対して卒

業という言葉を用いる人もいるけれど、それは学

校でいうところのクラス替えや転校に過ぎない。

 

 じゃあお前の考える社会人にとっての卒業って

何よ?

 

 明確な答えがある訳ではないけれど、思いつく

のは定年退職だろうか。

 

 学校から解放されるのが卒業であるならば、仕

事から解放されるのが定年退職だという考えに基

づくものである。

 しかし、60歳で仕事から解放された時代はとう

に過ぎ去ってしまった。

 年金支給の開始年齢は今後も引き上げられてい

くだろう。

 まして、年金だけで生活できる保障はどこにも

ない。

 

 安心した老後の生活を送るために必要な資金を

算定したとされる2,000万問題。

 働く期間を長くすることで、貯蓄を増やし安心

した老後を送りましょうってことなんだろうけど

も、60歳を超えてなおバリバリ働ける人もいれば

働けない人もいる。

 

 ちなみに僕の会社では、定年退職後の再雇用に

より、そのまま会社に残って働き続けるベテラン

社員はどんどん増えている。

 その理由として、高年齢者雇用安定法という名

のもとに、本人が希望すれば年金支給開始年齢に

達するまでは、よほどのことが無い限り会社が面

倒を見なければならないからだ。

 使える人材に関しては問題ないのだが、ようや

く使えない人材とサヨナラできる機会も失われて

いるのは会社の損失に直結する。

 

 皮肉なことに、有望な定年退職者であればある

ほど、再就職の道を選び会社を去り、会社に残る

ことになった、捨てることは許されない4番出汁

まで絞り尽くしたかつお節の使い道を考えるとい

う悲しい現実を突きつけられる。

 

 

 「卒業(定年退職)してもずっ友(再雇用)だよ!」

 

 

 

 老後の2,000万問題よりも、まずは今、目の前に

いる使えない再雇用人材に頭を抱える日々から卒

業したい。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

先週のお題「花粉」はコチラ↓ 

team-wolf.hatenablog.com

 

今週のお題「花粉」~【花粉VS腰痛】どっちが辛い?~

 どうも、こんにちは。あぶらっこです(^▽^)/

 

 

 今週のお題「花粉」

 

 「辛い!辛すぎる~!」

 

 今日も朝から上司の花粉症はツライよアピール

がウザい。

 聞けば、鼻水が滝のように流れてくるのに、鼻

づまりがひどいらしい。

 

 

 「あ゛~!う゛~!」

 

 という鼻づまりによる耳障りなうめき声と

 

 

 「ヘェックション!」

 

 という所かまわず連発するくしゃみを聞かされ

るたびに、思わず舌打ちが出そうになる。

 

 ここまでの文章で皆さんお気づきだと思うが、

僕は彼のことが大嫌いだ。

 

 というのも彼は、僕が腰痛で苦しんでいる姿を

見て「鍛え方が足りない」だの、「再発を繰り返

すのは愚の骨頂」だの僕に散々罵声を浴びせてき

たからだ。

 

 腰痛が辛くて仕事を休んだ時も

 「は?腰痛ごときで休むんか?」

 とほざくこの男はもちろん腰痛の辛さを知らな

い。

 

 

 「有給休暇に理由なんざ必要ないんじゃゴルァ!」

 言いたかった言葉をグッと飲み込み

 「申し訳ありません、恥を忍んで1日だけ休ま

せてください」

 苦痛と屈辱に悶えたあの日から2か月・・・か

つて屈辱を与えたこの男が、今僕の目の前で鼻水

と目のかゆみに悶えている。

 

 

 他人の不幸は蜜の味。

 まして常日頃から苦々しく思っている相手な

ら尚更だ。

 マスクで隠れている口元がゆるむ。

 

 「ざまぁぁ!」←心の声

 

 そして翌日、上司は花粉症を理由に休暇を取っ

た。

 黄色い粉ごときに屈しやがって。

 鍛え方が足りないんだよ。

 杉林で鍛えてこいや。

 腰痛に散々苦しめられているけれど、僕は花粉

症で苦しんだ記憶がない。

 良かった、天は二物を与えずというやつか。

 使い方これで合ってる?

 

 

 それにしても

 花粉症に悩む日本国民のなんと多いことか。

 今週のお題「花粉」で花粉症の辛さを訴える記

事が多いことでも、そのことがうかがい知れる。

 

 

 復帰した上司が休憩中に呟く。

 

 「花粉症知らずと世間知らずは幸せだよな」

 

 この男いわく

 花粉症は重症化した場合に鼻と目・・・いわゆ

る嗅覚と視覚が機能しなくなるだけでなく、頭痛

や微熱、倦怠感を伴い、意識がもうろうとして時

に記憶が飛ぶ症状もあるという。

 ホントかよ?

 アンタ、それは黄色い粉に白い粉が混入してい

るんじゃないのか?と疑いたくなるが、周りでも

ウンウンと同意する人もいたので、あながちウソ

ではないようだ。

 

 

 しかし、辛さでは腰痛も引けを取らない。

 立てない、座れない、動けない。

 着替えできない、靴下履けない、くしゃみがで

きない。

 常に足まで痛みと痺れに侵されているので、ト

イレでも踏ん張れない。

 腰が痛いと書いて腰痛だが、腰が痛いだけでは

済まされないのだ。

 そして花粉症と違い季節を問わず突然訪れる恐

怖。

 

 

 「腰痛とおさらばできるんだったら僕は花粉症

を選びますけどね」

 

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 僕のボソッと放った言葉に上司が噛みつく。

 「おまえは花粉症の本当の辛さがわかっていない」

 「腰痛も我慢できないくせに花粉症をなめるなよ」

 周囲がウンウンと同意する。

 マジか・・・。世間的には花粉症の方が辛いのか?

 

 ちょうどそこに休憩しにきたNさん。

 Nさんは、定年退職間際のヒラ社員で、これま

で様々な病気にかかり、何度も入退院を繰り返し

ながらも職場復帰を果たしてきたツワモノだ。

 

 上司がNさんを呼び止めた。

 「Nさん、花粉症と腰痛になった経験ある?」

 「どっちもあるよ」

 「両方経験してどっちが辛かった?」

 

 さてさて、病気の綜合総社との呼び声高いNさ

んは、どちらに軍配を上げるのか。

 

 

 

 「そりゃぁ腰痛だな」

 

 

 さすがNさん!わかってるな!

 病気を知り尽くした人の言葉は重みが違う。

 腰痛様の辛さは花粉症ごときとは比べものにな

らないのだ。

 

 

 「でも」

 その後Nさんは続けざまに言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「痛風の足元にも及ばんけどな」

 

 

 Nさんにとっては腰痛もごときなのね・・・。

 

 

 そして

 その場にいた誰しもが思った。

 

 痛風にだけはなるまい・・・と。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

先週のお題「雛祭り」はコチラ↓ 

team-wolf.hatenablog.com

 

今週のお題「雛祭り」~鈍感な二人の日常会話~

 どうも、こんにちは。あぶらっこです(^▽^)/

 

 

 今週のお題「雛祭り」

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 雛祭りって聞くとさ、春だなぁって感じがす

るよね」

 

 「そうかなぁ?俺は春に限ったことじゃないと

思うけどね」

 

 「ん~まぁ地域によっては1か月遅い所もある

みたいだけど、それでも春だよね」

 

 「俺はどっちかっていうと夏だな」

 

 「な、夏!?」

 「どんだけ長く出しているの!?」

 「確かアンタに妹いたよね?」

 

 「ああ、いるけど・・・何で?」

 

 「もしかして独身?」

 

 「いや、俺より早く結婚したけど」

 

 「マジで!?」

 「出したらさっさと片付けるこのアタシが独身

だというのに」

 

 「独身とか既婚とか関係あんの?」

 

 「ん~迷信とか言う人もいるけど女は気になる

もんなのよ」

 

 「男とか女とか関係あんの?」

 

 「ん~歴史のことはよくわからないけど、最初

は男女関係なかったような・・・」

 「でも最近は女の子のお祭りってイメージが定

着していない?」

 

 「まぁ確かに最近は女の子も増えているし、実

際ウチも女の子なんだけど、いつまでも慣れなく

てさ」

 「なもんでお祭りやっちゃうと手間がかかるん

だよね」

 

 「わかる~」

 「ウチもそうだけど、本格的なヤツなのよね」

 「無駄に場所は取るわ、面倒くさいわでひと苦

労するってゆうか」

 

 「だからあんまりしたくないんだよ、お祭り」

 

 「そう?でも女の子だったらウキウキするんじ

ゃない?」

 

 「うん、ウキとウキが近すぎるとお祭りじゃん?」

 「だからウキウキすんなって子供には言ってんだ

けどね」

 

 「ウキウキすんなって・・・それは無理な話で

しょ」

 

 「そうか?離れてただボーッと眺めていればい

いんだよ」

 「そもそも、そうゆうもんだろ?」

 

 「眺めて楽しむっちゃ楽しむけど、そのうち飽

きてきて暇じゃない?」

 

 「そりゃそうだろ」

 「だって暇な釣りなんだから」

 

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 最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 ※釣り用語解説

  ウキ・・・魚が食いついたことがわかるよう

       に釣り糸に取り付けた目印

  お祭り・・自分の釣り糸と相手の釣り糸が絡

       まってしまうこと。

       取るのに手間がかかるため、他人

       とお祭りをすると非常に気まずい。 

 

 

 最後に・・・僕と同じ時期にブログを始めたお

仲間(僕が勝手に思っている)さんが1周年というこ

とで、僕もメールを確認したら届いていました。

 気づいたら1年経っていたんですね。(;^_^A

 

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 タイトルと内容が一致していないのは置いといて

 これからも不定期更新でゆる~く書いていきます。

 以上ご報告でした。

 

 

 

先週のお題「告白します」はコチラ↓ 

team-wolf.hatenablog.com

 

今週のお題「告白します」~器の小さな男~

 どうも、こんにちは。あぶらっこです(^▽^)/

 

 今週のお題「告白します」

 

 僕はお寿司が大好きだ。

 定番のマグロ、サーモンをはじめ、赤貝やホタ

テなどの貝類、光モノやお酢の利いたしめ鯖も好

きだし、炙り寿司や煮アナゴ、変わりダネを乗せ

軍艦巻きも大好きだ。

 

 でも・・・。

 

 トロだけは嫌いだ。

 

 そもそも繊細さがないんだよね。

 脂が乗っていればなんでも美味いと思っていた

ら大間違いだし。

 本マグロの大トロってだけで有難がっているだ

けでしょ。

 特に大トロを何皿も頼んでいるヤツ。

 100円皿を積み上げる庶民を横目に大トロだ

け食ってる俺ってSUGEEEE!を見せつけた

いだけだろ。

 家族でお寿司を食べに行くと、僕は必ずトロと

トロを美味しそうに食べる人を拒否ってきた。

 

 でも・・・ホントは・・・。

 

 ・・・・ごめん。

 

 告白します。

 

 好き・・・。

 

 

 トロが大好きだぁぁ!

 

 

 若かりし頃、金色のお皿に乗ってレーンという

大海原を悠々と泳ぎ回る姿に憧れたが、手に取る

勇気とそれだけの収入がなかった。

 金皿1枚で他の寿司が5皿は余裕で食えると思

うと、質より量を取らざるを得なかった。

 

 自分の将来を悲観していた僕は、思う存分トロ

を食べて支払いにブラックカードを財布からスッ

と取り出すようなBIGな漢に俺はなる!という

考えには至らず、眩しい朝日に顔をしかめ、心の

カーテンをそっ閉じするようなヤツだった。

 先輩に1回だけご馳走になったトロが美味すぎ

たし眩しすぎた・・・一夜限りのワンナイトラブ。

 

 あれから20年。

 ようやく家族4人で何の遠慮もなく、回転ずし

で好きなだけ食べても懐に響かないぐらいの収入

となった今、僕はトロだろうが大トロだろうが躊

躇することなく食べることができる。

 

 でも

 

 僕には、トロにまったく魅力を感じない人間とい

う姿勢を一貫して貫いてきたチンケなプライドがあ

った。

 

 さらに

 

 食べないだけならまだしも、トロに関わるすべて

の人も否定してきた。

 大間のマグロ漁師は情熱だの意地だの言ってるけ

ど結局お金でしょ。

 寿司屋もトロはあえてボッタクリのふっかけた値

段つけるもんだと思ってるでしょ。

 それを食ってる客も見栄をはりたいだけでしょ。

 トロは食べず、食べる人に噛みつくだけ。

 

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 こんなこと言っておいて、いまさら言えない。

 

 実は好きでした・・・なんて。

 

 今まで食べるチャンスは幾度もあったが、僕は

頑なに拒んできた。

 ちなみに子供達はトロや中トロが大好きで、僕

の目の前で遠慮なくガツガツ食べる。

 

 うんまぃ~

 口の中でとろける~

 これ、歯が無くても食べれるヤツだ~

 

 そうか・・・歯が無くても食べれるのか。

 お父さんが食べているタコは、歯があっても噛

み切れないよ・・・。

 

 よし、お父さんもトロを食べようかな。

 レーンをちょうど回ってきたところに手を伸ば

す。

 

 「お父さん、それ好きだよね」

 

 「まぁな」

 

 そう言って

 僕はネギトロを頬張った。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

先週のお題「チョコレート」はコチラ↓ 

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今週のお題「チョコレート」~チョコレートは砕けない~

 どうも、こんにちは。あぶらっこです(^▽^)/

 

 今週のお題「チョコレート」

 

 この時期のチョコレートの話だと、初めて女子

からバレンタインでチョコをもらった時のことを

思い出す。

 

 小学生の3、4年生当たりだったと思う。

 

 誰が流行らせたのかわからないけど、当時手作

りチョコを渡すのが主流になっていた。

 女子達は、朝学校に来ると廊下に吊るしてある

体操着袋にチョコを隠し、下校時間となって帰る

男子に配るのが、バレンタインの通例となってい

た。

 僕ら男子達は、休み時間になるとわざわざ寒い

廊下を行き来し、吊るしてある女子の体操着袋を

横目でチラチラ見てチョコの入り具合をチェック

して回る。

 クラスでも特にオシャレ女子のYちゃんの名前

が書かれた体操着袋がパンパンに膨らんでいるの

を見た時は、ワンチャンあるかもと、僕の胸も期

待でパンパンに膨らんでいた。

 

 しかし、勉強も運動も人並み以下に加え、取り

立てて特技もない人間は、オシャレ女子からチョ

コなんかもらえるハズもなく・・・。

 

 もらえないだけだったらそれほどガッカリしな

かったが、自分の中で勝手にランキングしたクラ

スメイト番付で、確実に自分より下だと思ってい

たヤツがチョコをもらっていたりするとさすがに

ヘコむ訳で・・・。

 

 「手作りチョコ・・・食べたかったなぁ」

 

 トボトボ帰ろうとした時に後ろから

 

 「あぶらっこ君!」

 

 僕を呼ぶ声がして振り返るとクラスの女子がいた。

 

 「誰からもチョコもらってないんでしょ」

 「これ・・・あげる」

 

 そう言うと茶色い紙袋を手渡された。

 

 「あ、ありがとう」

 

 意外だった。

 というのも、彼女はオーバーオールが似合う柔

道女子だったので、バレンタインのようなイベン

トには興味がないと思っていたし、何より僕は彼

女とそれほど仲がいいとは言えなかったからだ。

 

 「今、ここで食べて」

 「こ、ここで?」

 

 僕は中に入っていたゴツゴツとした塊のチョコを取

り出した。

 

 で、でかい・・・。

 

 大きめのスーパーボールぐらいはあっただろう

か。

 動揺していた僕は一気に口の中に放り込み、チ

ョコを噛んだ。

 しかし

 キンキンに冷えたチョコはビクともしなかった。

 しかも

 奥歯で噛みたくても、大きすぎて噛めなかった。

 

 丸ごと口に入れてしまったチョコを今更彼女の目

の前で吐き出す訳にはいかず、渾身の力を顎に込め

て思いっきり噛んだ。

 

 ガリッ!!

 

 やっちまった・・・。

 

 チョコの硬さに乳歯が1本持っていかれた。

 多大な犠牲を払ってもチョコは砕けなかった。

 

 「どう?おいしい?」

 

 「おいひいよ・・・」

 

 「ホントに?」

 

 「ほんろにおいひいよ・・・」

 

 この状況を察してくれよ・・・。

 味なんかわかんねーよ・・・。

 

 僕がモゴモゴしていると

 

 「良かった。誰からもチョコもらえない男子に

あげたかっただけだから」

 

 そう言って彼女は去っていった。

 

 口の中で徐々に、徐々に溶けていくチョコは紛

れもないガ〇ナミルクチョコレートの味で、その

中に錆びた鉄の味が混ざっていた。

 

 最後までチョコレートは砕けなかった。

 

 紙袋にペッとチョコレートを吐き出した時、一

緒に出てきた乳歯がチョコまみれで不気味なほど

に黒かった。

 

 僕は、口の中に充満した血の味を噛みしめながら

学校を後にした。

 

 甘ったるいミルクチョコレートを食わされた、ほ

ろ苦いバレンタインの思い出。

 

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 最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

 先週のお題「#この1年の変化」はコチラ↓ 

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