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アラフォー腰痛ランナーの走りっこら挑戦記

腰痛を抱えながら5キロ15分台、10キロ32分台を目指すランナーの挑戦日記

特別お題「仕事と子育て」~短冊に込められた願い~

 どうも、こんにちは。あぶらっこです(^▽^)/

 今は大きくなってあまり手がかからなくなりました

が、子育ては上の子が3歳、下の子が1歳の時が一番大

変だったと思います。

 実は大変だったのは妻の方で、僕は仕事のことで頭

がいっぱいになり余裕がなく、子育てや家事全般は妻

に任せっきりにしてしまったので、一番大変な時期を

一人で乗り切った妻には感謝しかありません。

 お互いに肉体的にも精神的にも余裕がなく、夫婦関

係もどん底で離婚寸前までいきかけたのですが、上の

子が僕を救ってくれました。

 その時のお話を書きたいと思います。

*******

 僕は当時、異業種への出向を命じられ、出向先で仕

事をしていた。

 2年間の期限付き出向のはずが、会社の都合で勝手

に1年間延期されて出向先で新年度を迎えることにな

ってしまった。

 さらに出向先の部署でベテラン社員が退職したため

なんと3年目の僕がその部署で一番のベテランになっ

てしまった。

 欠員補充もされないまま、誰が担当するか曖昧な仕

事は、すべて僕に振られることに。

 「業務量の配分を見直してください」と言うと

 「前任者のM君は、これぐらい余裕でこなしていたよ」

と部長は取り合ってくれなかった。

 後任者として君もそれぐらいできるだろう…という無

言の圧力に屈した僕は、毎日定時では到底帰れない日々

を送ることとなった。

 

 それでも周囲の人間は誰も同情してはくれなかった。

 というのも、前任者のMさんは、仕事が早くて、コミ

ュニケーション能力も高く人望もあったので、部長や周

囲の信頼も厚かった。

 僕が後任として配属されてガッカリされるぐらい、そ

んなMさんのように仕事ができる訳でもなく、比較され

ては仕事が遅いヤツだと周囲に思われていた。

 僕もMさんぐらいに仕事ができるようにならなければ

と思い、一人で残業しているうちに心の余裕がなくなっ

ていった。

 

 家族が寝た真っ暗な自宅に帰り、冷めたご飯をチンし

て食べる。

 朝は、家族が起きる前に会社に行き、誰よりも早く仕

事に取り掛かった。

 気づけば仕事の日は妻や子供と一切会話がなく、休み

の日に子供と過ごしても心ここにあらずで何をしても楽

しくなかった。

 2ヶ月余りが経った頃、クレーム処理に追われる案件

が発生し、さらに精神的に追い詰められていった。

 この頃になると、妻は食事を用意することはなくなり、

僕は家族であろうとも一緒にいることが苦痛になり、ほ

とんどの時間を一人で過ごすことが多くなっていった。

 上の子に何か話しかけられても

 「パパは疲れているから」

 「疲れが取れないとお仕事に行けないから」と言って

上の子を遠ざけた。

 保育園に通うぐらいが一番可愛い時期だと言われてい

るが、当時の僕には子供を可愛がる余裕もなく、逆にう

っとうしい存在だった。

 

 そんなある日、園児たちが保育園で七夕の飾りつけを

したので見に来てくださいとの案内がきた。

 子供のために時間を取られることが苦痛だったが、妻

は下の子が体調不良で看病していたため、仕方なく僕と

上の子で保育園に行った。

 保育園の入口を入ってすぐの柱に大きな笹の枝がくく

りつけてあって、年齢別に色分けされたカラフルな短冊

がたくさんぶら下がっていた。

 

 あんぱんまんとともだちになれますように

 とか

 かめんらいだーみたいにつよくなれますように

 とか、色々な願い事が書いてあった。

 上の子の年代はまだ字が書けず、願い事を保育園の先

生に書いてもらっているようだったので、上の子の名前

が書かれた短冊をすぐ見つけることができた。

 その短冊に書いてあった願い事は・・・。

 

 

 

 ぱぱのつかれがはやくとれますように

 

 

 

 この短冊を見上げていると頬を伝って流れてくるものが・・・。

 えっ!?涙!?泣いている自覚がないのに涙が出てきた。

 慌ててトイレに駆け込み個室の鍵を閉める。

 ぬぐっても、ぬぐっても涙がとめどなく溢れてきた。

 

 何なんだよ!ちくしょう!!

 

 トイレットペーパーをぐるぐる巻き取って両目にあて

がっていると少し落ち着いてきた。

 

 仕事がうまくいかないストレスを子供にぶつけ、一緒

に遊ぶどころか遠ざけてばかりいた上の子が・・・。

 間違いなく僕は嫌われていると思っていたのに、こん

な風に思ってくれていたなんて・・・。

 自分の願い事ばかり書く子供が圧倒的に多い中で、こん

な僕のためを思って願い事を書いてくれている上の子の気

持ちが本当に嬉しかった。

 

 僕は、いつの間にか仕事のイライラを家庭に持ち込んで

家族に当たり散らすだけのどうしようもないクズ親父に成

り下がっていたのかと思うと情けなくて恥ずかしかった。

 

 落ち着きを取り戻した僕は、息子の元に行き「今までご

めんな。パパのためにお願い事してくれてありがとな。な

んだか疲れが取れそうな気がしてきたよ。」

 と言うと、息子はにっこり笑ってくれた。

 

 僕は、どう頑張っても前任者のMさんのように仕事はで

きない。

 部長や周囲にどう思われようが、無理してでもできない

ものはできない。

 それで出向先をクビになっても本社に戻るだけだ。

 最悪本社もクビになったら、新しい仕事を探せばいい。

 自分の弱さを認めることで、いい意味で開き直ることが

できた。

 僕が期待に応えるべきは会社ではなく、家族なのだ。

 

 妻には、帰宅したら真っ先に謝ろうと思っていたが、男

のプライドが邪魔をしてすぐ謝れず、グズグズしているう

ちに謝るタイミングを逃してしまい、現在に至っている。

 これが負い目となって、僕は妻に頭が上がらない。

 

 

 自分の中で一番大切なものは何か、気づかせてくれた上

の子の短冊は、今も僕の宝物として大事にしまってある。

 

 

 今日は奇しくも七夕の日。

 僕の子育ての記憶は、この七夕の日から始まっている。

 

 

 

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 

 

 

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